企業市民活動

CEO & CTOからのメッセージ

私たちは、持続可能でインクルーシブな世界を目指して努力することを決してやめません。 未来は差し迫った時代の課題に取り組む個人および集団の能力にかかっています。 当社は、グローバルな接続性、大規模なコンピューティング能力、大規模なデータセット、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)の新しい側面を推進する、コグニティブなコンピューティングの新時代を歓迎しています。 デジタル化を終える企業はありません。なぜなら、イノベーターは革新を続け、組織はデジタルの新しい機能と用途を見つけるからです。 持続可能でインクルーシブな世界を実現するためには、イノベーションを取り入れることが極めて重要です。

今年のレポートでは、OpenTextのイニシアチブ、取り組み、および進捗状況を共有し、環境にプラスの影響を与え、多様な声に耳を傾け、最高水準の完全性を維持します。環境、社会、ガバナンス(ESG)に関するあらゆる取り組みの指針でありフレームワークであるゼロ・インイニシアチブを通じて、当社の行動がゼロ・フットプリントを実現し、障壁をなくし、コアバリューに関して妥協のない未来を創造するよう努めています。当社は、より持続可能で公平な、世界の繁栄に向かう、変革の旅の途上にあります。 また、AIを使用することで、当社が重視している取り組みに関してプラスの影響が与えられることも、当社にとって喜びとなっています。

2022年もまた、変化の年でした。ウクライナでの戦争は激化し、供給網は混迷をきたし、地球の長期的な温暖化傾向は続きました。そしてまた、NASAによれば、2022年は史上5番目に暖かい年となり[1]、新型コロナウイルスの社会への影響は終了しました。

研究によれば、現在、地球が2027年までに摂氏1.5度の地球温暖化を超えると予測されています。[2] 気候関連の緊急事態は世界中に影響を与えています。

経済的には、特定の産業は堅調に推移したものの、景気後退の懸念が高まり、生活費が急騰し、人々の購買力に劇的な影響が及びました。変化は唯一の定数です。しかし、私たちは変化にどう対応するかを選べるのであって、イノベーション、テクノロジー、そして人間性で対応することも選択しています。

当社は今後5年間で、20年分の進歩を経験することになるでしょう。2030年までに、あらゆるビジネスがデジタルで再構築されると考えています。 様々な業界が、情報を活用した変革を経験することになり、最新のビジネスモデル、人材シフト、新しい規則への適応、新たな機会の追求などの、広範な変化をもたらすでしょう。 私はこれを「ビジネス2030」と呼んでいます。

この変革の背後にあるのは、テクノロジーの強力な力です。その中心は、大規模言語モデル(LLMs)、大規模なデータセット、自動化率の向上、計算能力、ネットワーク容量などの、急速に進化する生成AIです。 バーチャルリアリティとIoTが生み出す様々な機会です。 このテクノロジーという推進力により、情報の力が拡大し、強化されるのです。そして、正しい情報を使用すれば、多くのことが実現可能です。

ビジネス2030: テクノロジーによって、より大きな価値を得る

気候変動は、現在の最大の問題であり、OpenTextの優先事項となっています。産業界はこの真実に目覚めつつあります。業界や国と国との境界を越えて、抜本的な変化が起こっており、それを目の当たりにしているのです。

私たちは、お客様が情報、自動化、クラウドを通じて指数関数的なイノベーションを解き放つのを支援し、デジタル世界が物理的な世界を保護できるように支援しています。 当社が策定した将来のクラウド戦略と、気候イノベーションに関するロードマップを、持続可能性の機能を最前線に保つために役立てる予定です。

昨年は、当社の企業寄付の取り組みを通じて、児童、家族、災害救援に焦点を当てた地球規模の変革のために必要となる教育とイノベーションを支援しました。 当社は、地域の人々の生活の質を向上させるために何千時間もの時間をボランティアに費やし、100万ドル以上を寄付しました。また、何百万食もの食事を提供し、避難してきたウクライナの子どもたちのためにポーランドの学校に資金を提供し、難民を収容するために立ち上がった従業員を支援し、政府の制限が課せられた従業員の医療給付を確保しました。 当社の従業員が生活している地域社会に有意義な影響を与え続けるとともに、国連の持続可能な開発目標をさらに推進し、地球が直面している課題にも貢献してまいります。

また、国連グローバル・コンパクトへの誓いを新たにし、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)を参照して報告し、国際的な持続可能性基準における信頼性と透明性を引き続き高めました。

変化に対して大胆に(Be bold for change)

昨年、当社では、測定可能で価値を重視した目標を組み合わせた「Zero-Inイニシアチブ」フレームワークを発表しました。

「Zero-Inイニシアチブ」を追求するために、当社は、様々な側面で取り組みを推進するという、大きな目標を設定しました。 当社のZero-Inプログラムの取り組みは、持続可能性とインクルーシブへの取り組みを通じた、公平性に重点を置いたものとなっています。 私は、この重点ポイントに誇りを持つと同時に、AIの革命的な可能性により、当社がどのようにZero-Inプログラムを促進し、より良く、より強い会社を構築し、そして、公平性、包括性、持続可能性といった価値観で構成された、より良い、より強力な事例となれる機会を得られることを想像すると、私自身、非常にわくわくします。 AIは、この世界を再形成し、生活の質を向上させる可能性を持っています。その場合、インテリジェントシステムが人間の創意工夫と相まって機能する未来へと我々を導くことになるでしょう。 私は、このような新しい可能性と、AIが持続可能で公正な未来に与えうる、変革的な影響について、期待をしています。

ゼロフットプリント: 2040年までにネットゼロ

気候変動に対処するための最も効果的な方法の1つが二酸化炭素排出量を削減することであるといわれています。 当社では、2030年までに50%削減、2040年までにネットゼロ、2030年までに廃棄物ゼロを約束しています。 ネットゼロ企業になるには、集団的な努力が必要です。当社では、各グローバルチームと協力して、廃棄物を削減できる機会を特定し、よりエネルギー効率の高いプロジェクトプランを策定しています。

また、当社では、お客様がビジネスを変革し、クラウドに移行し、気候問題の変革者(イノベーター)になる支援を含むあらゆる方法を通じてゼロフットプリントを目指しています。 昨年、OpenTextは、より持続可能な未来のために企業が紙への依存を減らすために実行できる様々な方法を認識してもらおうと、「Be a Climate Innovator」キャンペーンを開始しました。 変革者は、情報の優位性を利用して、環境にプラスの影響を与え、資源を保護し、ESGコンプライアンスを達成しています。彼らは、OpenTextの情報管理ソリューションを利用して、ビジネス情報をデジタル化して、倫理的な供給網を確保し、エネルギー効率を向上させています。

ゼロバリア: 障壁を打ち破って生活を向上させる

様々な声を聞く必要がある私たちは、多様性がイノベーションを加速させると信じています。 当社では、障壁を取り除くことに努めており、この目標に基づいて、2030年までに多様な労働力が過半数を占め、主要な役職で半数(50/50)のジェンダー平等が実現され、すべての管理レベルで女性の40%が指導的地位にある状態にすることを約束しました。 また、公平性、多様性、包括性に関する目標を進化させ、価値に基づくデザインを取り入れようとしています。これは、当社が、最大限に包括的なソフトウェアを開発する上で役立ちます。そしてまた、それに貢献したり利用したりする人々を代表してよりアクセスしやすい世界を作り出すのにも役立ちます。 また、価値に基づくソフトウェア設計に関しては、新しいプログラムも立ち上げました。

当社では、先住民や黒人学生向けのインターンシップやインドの女性向けのエンジニアリング・インターンシップなどの教育研修プログラムを通じて、経験、教育、メンターシップの機会を提供し、日々の生活を変革しています。当社は、毎年、黒人歴史月間、国際女性デー、真実と和解の日、プライドの日などに、国際的な意識向上イベントを開催しています。社内では、キャリアウィークで、従業員の成長を支援し、ポリシーを継続的に更新しながら、より包括的な採用と雇用を継続しています。また、当社の従業員ネットワークを通じて、アドボカシー、認識、サポートのために多様なコミュニティを結び付けています。

当社では、従業員とその家族の幸福をサポートすることこそが当社の成功の核となるということの理解に基づき、福利厚生、保険、フィットネス、メンタルヘルスサポート、そしてワークライフバランスをサポートするためのプログラムを提供しています。 当社の文化とウェルネス(毎日をより良く生きようとする積極的な態度)を統合することにより、生産性と定着率を向上させ、社内での従業員の価値観を深めるのに役立つと考えています。OpenTextのすべての個人が、本来の自分として貢献することが評価され、安全であると感じられるようにすることが私たちの優先事項です。

妥協ゼロ: 最も重要なことに集中する

当社のZero-Inイニシアチブは、当社が成長と持続可能性のバランスを取るのに役立ちます。 当社の努力は、正しい方向に進んでいると、私は楽観視しています。

当社のZero-Inでの目標は、説明責任を支援し、価値・幸福のためのテクノロジーの文化を育む上での、科学、透明性、誠実さに基づいてます。 高い基準、倫理的責任、中心にある価値観:当社は、最も重要なことについては妥協することを拒否します。

そしてまた、これは当社の技術を含みます。 セキュリティの脅威からデータを保護し、リスクを軽減することに関して、妥協することはありません。 お客様がデータに関して当社を信頼してくださっています。したがって、倫理的かつ誠実にデータを保護することは当社の最優先の責任です。

将来の成長への立場

2023年度下半期には、顧客情報を強化して保護するという使命の延長として、Micro Focusを買収しました。 現在、Micro Focusの製品ポートフォリオ、人材、国際的な存在感を、OpenTextファミリーに統合することに成功し、現在、24,000人以上の従業員を擁するまでになりました。

当社の文化の中心には、やはりお客様の成功に関する揺るぎない約束があります。サイバーセキュリティ、デジタル運用管理、アプリケーションの自動化および配信、AIと分析などの次世代ツールを使用してお客様が業務を保護し、情報に関するより多くのインサイトを得て、よりいっそうハイブリッド化され複雑化するデジタルファブリックを、より適切に管理するのに役立てるという約束を当社は果たしています。

コグニティブ時代は、テクノロジーで世界を再形成し、未来の市場を構築しています。 人間は、AIを利用して、様々な分野で新たな頂上に到達しつつあります。人、モノ、資本、アイデアのデジタルフローが世界中で増加するにつれて、私たちはさらに相互接続されています。

OpenTextでは、生産性を高め、すべての人の繁栄を促進し、次世代の持続可能性を確保するために革新しており、今後、当社では、価値に基づいたソフトウェア設計を通じて、原則を適用しながら、探求を続けてまいります。

Mark J. Barrenechea signature

Mark J. Barrenechea
OpenText CEO and CTO

Footnotes

脚注

  1. [1]米国航空宇宙局(NASA)、2023年。
  2. [2]世界気象機関、2023年。